痒みとは
かゆみは「むずむずして引っ掻き反射を引き起こす感覚」と定義されます。かつては「痛みの神経が感じる弱い痛みがかゆみである」と考えられていましたが、「痛み」は皮膚だけでなく体の内部でも感じるものの「かゆみ」は体内の臓器では感じません。「胃が痛い」ということはあっても、「胃がかゆい」ということはない為、最近の研究では痛みとかゆみを脳に伝える神経はそれぞれ別々の神経であることが明らかになりました。
神憑り的な痒み
アトピー性皮膚炎はこの「かゆみ」が特徴です。掻かずに我慢すればよい、なんてことは百も承知。我慢できるならしているのです。蚊に刺されたらとても痒いですよね。一ヵ所ちくりと刺された痕跡に、何度か痒みのピークがやってくると思います。それが広範囲、場合によっては身体全体にそれが広がっていると想像してみたら…！？搔かないよう、代わりに、と叩いたりこすったりつねったり…。頭では掻いちゃいけない、我慢しよう、と考えていても、それを突き破って生じて来る、我慢しきれず震えが起きてしまうアトピー性皮膚炎の痒みを「神憑り的な痒み」と捉えています。
掻いても良いよ
我慢しきれず掻いたと同時に生じるのが、掻いた事への後悔と自己嫌悪。ああ、また掻いちゃった。また我慢できなかった。私って駄目なんだ、弱いなぁ。心配する周囲から「傷になるから掻かないで」「悪化するから我慢しよう」と掻く事をなんとか止めて、と懇願されてきている、又は掻いて悪化させてしまったところを目の当たりにした方が一般的なので、こういうメンタリティになって至極当然です。「掻いても良いよ。痒いだけ掻きな」と言われて育った方に出会った時には、眼から鱗、というか衝撃でした。世の中掻いた人みんながアトピー性皮膚炎なわけでも肌に傷が出来てしまったり悪化する訳でもない、と医師も言っています。掻いてしまった事や掻いた自分を責めないであげて下さい。
今回のまとめ
アトピー性皮膚炎の痒みは尋常でない「かゆみ」です。かゆみも痒みを我慢できない事も、決して貴方の我慢が足りないからでもあなたのせいでもありません。痒い事や掻いてしまう事にイライラやストレスを感じないで、是非深呼吸をして「あ～あ、痒いなぁ」とかゆみをありのままに受け止めてみませんか。
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