イギリスやアメリカのアトピー協会と協賛しながら活動をしている中で、やはり日本と海外とはアプローチや考え方が少し違うな、と感じる事が多々あります。シリーズで徐々に情報を展開していきます。肌トラブルで悩む方々に何かヒントやお役に立てたら幸いです。
イギリスでの「アトピー」の定義
アトピー性湿疹は最も一般的な湿疹で、家族内で発生する傾向があるようです。「アトピー」とは、湿疹、喘息、花粉症を発症する傾向を表す言葉です。アトピー性湿疹だけの人もいれば、喘息や花粉症を併発する人もいます。
イギリスでも日本でも慢性的なアトピーの湿疹
アトピー性皮膚炎の湿疹は通常、小児期に発症し、成長するにつれて改善することもありますが、湿疹は慢性症状であるため、いつでも再発する可能性があります。幼少期にアトピー性湿疹に罹患すると、湿疹の再発がなくても皮膚が敏感なままである可能性が高いです。
研究により、アトピー性湿疹の約50%の人にフィラグリンと呼ばれるタンパク質の遺伝子変異が確認されており、これが皮膚に多くの変化をもたらしています。皮膚の最上層(角質層)で細胞同士を結合させる働きをするフィラグリンが不足することが多いです。また、皮膚の脂肪や油分、天然保湿因子が減少し、一部の細胞(角質細胞)の形が不規則になります。このような違いが相まって、皮膚細胞間に隙間ができ、皮膚のバリア機能が変化し、保護が不十分となり、細菌、刺激物、アレルゲンの侵入を許し、水分喪失が増加するのです。
日本人の症状はイギリスでは白人種と似ているかも
白人の場合、アトピー性湿疹は膝の裏や肘の内側など、体の関節のしわにできることが多いのですが、有色人種では逆に膝の前や肘の外側にできることが多いのです。しかし結局のところ、アトピー性皮膚炎の湿疹は全身に発生する可能性があります。乾燥し、赤くなったり、黒ずんだりした皮膚は、かゆみが強く、皮膚がガサガサになった状態の鱗屑(りんせつ)やひび割れを起こします。
掻いていると皮膚が裂け、感染症になることもあります。通常、黄色い痂皮(かさぶた)を伴う、涙や湿った湿疹が特徴です。
長い間同じ部位を掻き続けていると、皮膚が厚くなり、苔癬化と呼ばれる症状を引き起こします。皮膚は革のようになり、元の厚さに戻るには数週間から数ヶ月かかる。また、苔癬化によって皮膚の色が変化し、色が濃くなったり薄くなったりすることがあります。幸いなことに、掻いた皮膚のほとんどは時間とともによく治り、強い掻痒がない限り、瘢痕が残ることはまれです。
今回のまとめ
日本でも海外でもアトピー性皮膚炎の痒みと痛みに苦しみ、それを軽減・治したいと願う人々の気持ちは同じです。シリーズの中で意訳や解釈が含まれる場合もありますが、ご質問いただければ現地側に問い合わせる事も可能ですし、皆さまが直接お問い合わせも出来る様に、参照した情報は可能な限りリンクを貼っていきます。